この記事の目的
この記事は全国の学習塾の経営者にお話をうかがって、その志や経営戦略、想いを紐解くことを目的としています。
聞き手はおかだ行政書士事務所の岡田泰典です。普段は地元で行政書士をして許認可サポートをする傍ら、学習塾の経営経験を生かした塾専門の行政書士として、補助金の申請サポートや契約書のリーガルチェックなどの活動を行っています。
できる限り、赤裸々なお話が聞けるよう努めて参りますので、よろしくお願いいたします!X(Twitter)のフォローもよろしくお願いします!
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本日は株式会社エニバの副社長であり、高専塾ナレッジスターの事業責任者でもあります、「あっきー」こと渡邊友章さんにお話を伺ってまりました。
ナレッジスターさんの公式HP
https://know-star.com/
YouTubeチャンネル「みんなの高専チャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCX-PLj-jM4mUGLrPbITkS0Q
ナレッジスター公式X
https://twitter.com/knowstar_jp
渡邊友章(あっきー)さんのX
https://twitter.com/Akkii3993
ニッチ分野にこそ需要がある
それでは本日は、株式会社エニバの副社長であり、広い学習塾業界の中で、国立高専専門塾という唯一無二のポジションを持つナレッジスターの事業責任者にして、高専受験を影で操ると噂の渡邊さんにお話を伺いたいと思います!よろしくお願いします!

岡田
高専塾ナレッジスターで事業責任者をしている渡邊です!よろしくおねがいします!

渡邊さん
高専専門という大変興味深い学習塾のお話が聞けるということで、楽しみにしておりました!早速、いろいろと気になる点を聞いて行きたいと思うのですが、ナレッジスターさんといえばオンラインであり、かつ高専専門というニッチな受験業界を攻めている学習塾というイメージがあるのですが、シンプルになぜそこでの事業展開を目指されたのでしょうか?

岡田
はい、そうですね。1番の理由はやっぱり僕自身が高等専門学校に通っていたという原体験です。そこからくる課題感に突き動かされてやっていますね。

渡邊さん
なるほど!渡邊さん自身が高専生だったのですね。自身の体験からくる課題感というのは大きな差別化に繋がりそうです。ただぶっちゃけ…

岡田
なんですか?笑

渡邊さん
その、儲かるのかなって…すみません!やっぱ最初に思うのではないかなと…
どのような勝算をもって取り組んだのかというところをお聞きしたいです。

岡田
お答えしますと、高専受験の市場規模を考えた時に、毎年1.5万人から2万人ぐらいが高専の受験生になります。全国の中学3年生が塾に通う割合を調べるとだいたい60%くらいです。すると、およそ1万人が見込み顧客になります。そして、その中から10%ぐらいが通うとすれば、私達のサービスが多くの人に喜んでもらえると思いました。

渡邊さん
1000人ですもんね。

岡田
はい、そこの市場を取り切れれば十分利益になりますし、競合がいないので、安定しやすいです。 全国に散らばっている需要を集めれば、十分市場として成立するし、何よりも高専を志す未来の後輩たちの役に立てると考えました。

渡邊さん
すばらしい…
ニッチ分野だからこそ、他の塾が参入しにくい分野に自身の強みを生かして乗り込んでいったということですね!

岡田
ナレッジスターの沿革とYouTube戦略
そもそもの話ですが、ナレッジスターさんっていつできた塾なんですか?

岡田
えっとですね、実はナレッジスター自体は、僕が始めたわけではないんです。

渡邊さん
あ、そうなんですね。

岡田
前の代表の方が仙台高専に特化した学習塾をやられていたのが始まりです。ただ、高専って全国に国立だと51校あるんですけど、そこにもっと広げてオンラインでやりたいと考えた前代表に誘われて一緒にやり始めました。最初は外部として携わり、そこから色々あってナレッジスター自体を、僕が別の会社で引き継いで一つの事業としてやらせていただいてるという形です。

渡邊さん
なるほど。それがいつごろなんですか?

岡田
僕が入ったのが、2020年の10月ですね。

渡邊さん
今から4、5年前くらいですか。今よりも多分、高専塾みたいなものって目立ってなかったですよね。ナレッジスターさんが現れてから、高専コースとか高専専門みたいなものが出始めたような印象があります。
その分のリードみたいなものは大きいものなんですか?

岡田
そうですね…高専を志す人って、全体の1%以下なんですよね。普通高校に通うのが99.2%です。 なので、情報が世の中にほとんど出回っていませんでした。

渡邊さん
たしかに。間違いなく情報不足だったと思います。

岡田
高専受験するとなっても、どう対策していいかわからない。調べてもGoogleに載ってないんですよ。ブログで少し解説している人がいるくらいでした。なので、僕らはYouTubeから始めました。当時高専に関連するYouTubeは、全くと言ってよいほどなかったです。加えて、ブログ記事も書いたので、高専について全国の子供や親御さんが調べようとなった時に私達の情報に触れてもらえる機会が多くなりました。この辺のことくらいまでは最初に想定して始められましたね。

渡邊さん
すごすぎますね…っ!
SNSとか、YouTubeを使った戦略みたいな部分というのは、ナレッジスターさんのとても大きな強みですよね。やっぱりこれらのツールの活用は、 塾を運営していく上で重要と思われますか?

岡田
めちゃくちゃ大事だと思いますね。

渡邊さん
私も始めないといけませんね…!
例えばこの記事を見た方が、SNSを活用するとしたら、どういうところから始めるとよいですか?あるいは、普通の塾だったら、なくても良いですかね?

岡田
そうですね、これだけ大手の塾が乱立しているので、SNSの活用よりも、塾にどれだけ強みを持たせるかが重要だと思います。そのうえで、SNSがその強みを知ってもらうのに役に立つという流れだと思います。

渡邊さん
なるほど。確かに発信すること自体がないと魅力的に見えませんもんね。

岡田
はい、例えばうちの強みは高専の情報に詳しいことと、合格率です。高専の合格率の全国平均が約50%のところうちは92%なんです。ナレッジスターに入ると、合格率50%から92%に上がりますよって言えるわけです。

渡邊さん
それ、実際の合格率ですよね!すごい!

岡田
それがうちの価値です。あとは、これを伝えるためにどうするかっていうところで、YouTubeやSNSを使って、高専の情報を発信し続けることで「あ、高専について本当に詳しい塾なんだ」とか「受験の時はこの塾に預けよう」と思ってもらうことを目指しています。

渡邊さん
なるほど!強みを作った上で、それを発信することが大事っていうことですね。

岡田
はい!大きくやりたいのであれば、何かしらの強みがないと難しいかなと思います。例えば、地元の塾でも、強みとして「この高校への受験には強い」とか「この中学校の定期テストは全て見ます」みたいな強みを用意した上でSNSを使っていくと、集客にも繋がっていくと思います。

渡邊さん
高専塾ナレッジスターが提供するもの
では次にナレッジスターさんのシステム面についても深堀りさせてください。塾の対象学年はどこからどこになりますか?

岡田
今は中学1年生から高専5年生までを対象にしています。

渡邊さん
高専の5年生まで!
この学年を対象としている塾っていうのは私が知る限りないのですが、他にもあるんでしょうか?

岡田
一応、あるにはあると思いますね。でも完全特化でやっているところはほぼないと思います。

渡邊さん
そうですよね。少し想像しただけでも相当難しいと思います。高専の近くに、高専生専門で塾を作るというのはかなり厳しそうですよね。人数も一つの高専だと、そんなに多いわけじゃないですからね。
あ、ここはナレッジスターさんのオンラインにつながってくる部分ですね!

岡田
はい!オンラインはその面で細かい需要を一つにまとめる力があると思います。
でも実は最近では、ナレッジスターのフランチャイズ店も展開しています。というのも、オフラインが合う生徒も絶対いると考えているんです。うちは高専生や高専受験生を教える教材は揃っているので、対面で教えられる人にお渡しして指導してもらうという形も展開していきたいと思っています。

渡邊さん
なるほど!そうすると、ナレッジスターさんの授業システムは私が事前に調べたものを合わせて
①オンラインの動画授業
②オンラインの個別授業
③フランチャイズ展開をしているリアル授業
の3本柱ということであっていますか?

岡田
はい! そうなりますね!

渡邊さん
対面も取り入れていきたいということですが、オリジナルのコンテンツとして動画授業を配信している塾って、多分数えるほどしかないと思うんですよね。さらにそこに加えて、オンライン上で個別の授業も受けられる塾って唯一無二に近いじゃないかと思うわけですが、この「オンライン」とか「動画配信」という部分のメリットと、もしあればデメリットの部分なんかも知りたいです。

岡田
そうですね。最初はオンラインの個別だけに頼っていたんですね。でも、これによって何が生まれたかというと、講師の力量による成績のばらつきだったんです。サービスの品質が担保できてなかったんです。

渡邊さん
学習塾の永遠の課題とも言えますよね…

岡田
はい、優秀な講師を採用するってことが課題として大きかったです。でも、ここに質の高い映像授業を追加すると最低限の品質は担保できます。その上で、映像授業を見てきてね、だけでは中学生だとやってこなかったりするんですね。なので、コーチングやプランニングをやりながら学習効果を高めています。もちろんこの辺にも講師の力量は関わってくるんですが、最低限の品質は保てていると思います。

渡邊さん
個別授業を補完する形で映像授業があるわけですね。
それが品質の安定につながっていると。

岡田
あと、もう一個あります。これは高専受験生だからというのもあるんですけど、高専って特殊で、中等教育機関じゃなくて高等教育機関になるんですね。要するに、大学と同じような学校に属していて、自己学習がもう必須なんです。それができないと、留年が当たり前の学校なので、そういった意味もあって、普段から自分で映像などを見ながら勉強するという習慣付けがしたいというのもあります。

渡邊さん
たしかに!
普通の高校と高専は環境が全然違いますもんね。
高専卒業生ならではの視点で、勉強になります。
少し別の話題で、さきほどちょっと教材というお話があったと思うのですが、高専に特化したオリジナルテキストをご用意されていると伺っています。高専生向けっていうとどんな教材になるんですか?

岡田
はい、まず、オリジナルテキストは「基礎編」と「実践編」という2つに分けて作っています。なぜそもそもオリジナルのものを作っているかというと、公立高校の入試の問題と比べて、高専の入試の問題ってちょっと傾向が異なっている部分があります。特に数学ですが、中学校3年生で習う後半の内容が頻出なんです。さらに、高専受験って公立入試より早い時期にあったりもするので、学校や地域によっては先取りが必要な場合もあります。

渡邊さん
公立受験よりは高専受験の方が早い地域が多いでしょうね。

岡田
そのような傾向があるので、なるべく早く中3の範囲を終わらせる必要があります。不要なところはそぎ落とし、最短ルートで中3の範囲を網羅的に学べるテキストが「基礎編」です。
そして、高専の入試形式にこれらの知識を落とし込んだものが「実践編」になります。高専の問題の特徴に似せた問題だったり、マークシート形式であったり、というところの練習をこのテキストでしてもらっています。

渡邊さん
聞けば聞くほど、高専の入試形式は特徴がありますよね。ここに特化したテキストは需要がありそうです。でも、オリジナルテキストを自社で準備するってハードルが高いイメージがあるのですが、その辺はどうやってクリアしたんでしょうか?

岡田
これはですね、もう勢いですね。笑

渡邊さん
えっ笑
テキストってないと始められないから、回収見込が立たないうちに大きな投資をすることになると思うんですよね。私が同じ立場だとしても、採算合わないんじゃないかなーとか考えちゃうと思うんです。でも、今の話聞くともういったれー!みたいな感じですか?笑

岡田
ま、正直そうですね。笑
でも、明らかにやった方が私達の想いが生徒や保護者の方に届くと思いました。

渡邊さん
たしかにそうですね。すでに作って軌道に乗っている今となっては、逆に大きな参入障壁になっているということですよね。

岡田
はい。いかに早くやるか、だと思います。仮に利益は出なかったとしても、いかに早くやるかが大事だと思っています。

渡邊さん
なるほど、オリジナルテキストの作成ってなかなか踏ん切りがつかないところですけど、この決断がナレッジスターさんが選ばれる大きな理由になっているんだと思いました。

岡田
コミュニティーをどう作るか
ナレッジスターさんの取り組みをHPなどで拝見させてもらっている中で、すごく特殊な取り組みだなと思ったのが、「Discordを使ったコミュニティの形成」という…
この辺の狙いなんかを教えていただきたいです。

岡田
Discode…テキストメッセージによるチャット機能や音声通話、ビデオ通話、画面共有といったことがパッケージされているコミュニケーションツール
はい。2つコミュニティがありまして、 Discordでは高専受験生と高専生が集まる「みんなの高専広場」を運営しています。それから、LINEグループで「高専保護者の広場」というのもあります。なんでこれを用意しているかというと、1番は高専受験生の周りに高専について詳しい人がいないという問題があるからですね。

渡邊さん
そうですよね。いざ高専受験と思っても、なかなか同士は見つかりませんよね。

岡田
はい。同じクラスで2人以上が受験するというのは珍しいことです。そのため、孤独との戦いになってしまうことがありました。でも全国で見たらたくさんの受験生がいるのは分かっています。じゃあオンラインで繋げてあげればよいと考えました。そうすれば情報共有もできるし、受験生同士で切磋琢磨できるんじゃないかと。

渡邊さん
なるほど!Discordで生徒や親御さんを繋げるって、塾業界の中では全く聞いたことのない取り組みだという風におもいますが、実際にやってみてどのような印象を持っていますか?

岡田
そうですね。まず、コミュニティーを作る時に弊害として考えられることが2つあると思います。
1つは、1人が塾の悪評を言ったら生徒や保護者の方の中で一気に広がってしまうこと。
2つ目は運営のコストだと思います。
でも、実は2つ目のコストはほとんどかかっていないんです。

渡邊さん
え、そうなんですか?人材的なリソースが結構かかりそうですけど…

岡田
それがですね、僕らは基本的にコミュニティの中で発言はほぼしないようにしているんです。
変な人が入ってきた時に必ずBANするとか以外は、あんまりやらず、むしろグループに参加している学生さんが自ら発信して、相談をしたりとかして、それに学生が答えてくれる。
例えば、ここが分からないんだけどって言ったら、僕らじゃなくて学生が教えてくれる。

渡邊さん
コミュニティが自動で育っていくわけですね…!

岡田
最初はこちらから盛り上げる施策をやらなきゃいけないと思っていたけど、それも必要なく、むしろ大人はいない方がよいとさえ思います。

渡邊さん
たしかに、高専生の話を聞ける受験生って、それまでほとんどなかったでしょうね。
実際に先輩に質問できるというのは大きなメリットですよね。

岡田
はい。でもルールだけは決めていて、受験生が不安になるような発言をしてはいけないとか。
秩序だけは守りつつ、あとは自由にやらせていたら、今のところ、良い効果があるなという風に実感しています。

渡邊さん
「高専保護者の広場」についてはどうですか?

岡田
受験前になると、親御さんの不安が大きくなりますよね。でも塾は塾で生徒に向き合わないといけない。不安を解消するために話を聞いている時間があまりとれません。今、「高専保護者の広場」では不安の解消に役立っている側面もあるかもしれません。話すだけでも楽になりますから。

渡邊さん
この記事を見てくださった塾経営者の方がそれやるには、リスクの観点から難しいと考える方もいますよね。

岡田
確かに、そう思います。でも、問題が発生したら誠実に対応して、しっかり返信していくっていう方が良いのかなと思います。むしろ健全かなと。

渡邊さん
オンラインだと特にコミュニティが築きにくいですもんね。オンラインだからこそ、よりコミュニティツールが生きてるっていう面もあるんですかね?

岡田
あると思います。あと、やっぱりコロナの時期があって、オンラインへのアレルギー反応がなくなったかなとは思いますね。それと同時にコミュニティツールが真価を発揮した気がします。

渡邊さん
これは余談ですけど、Discordみたいなものって、パンドラの箱じゃないですけど、見たくないものまで見えてしまうみたいな側面はありませんか?やるかやらないで言ったらやったほうが良いんだろうけど…
それをあえてやっているということが、強い組織だなというふうに思いますね。

岡田
ありがとうございます!
でも、問い合わせが減るので授業に集中できるというのもありますね。
むしろサービスに対するご指摘は減っていると思います。

渡邊さん
ナレッジスターのこれまでとこれから
次の質問に移ります。ズバリ、現在2024年ですが、これまでのナレッジスターさんの上昇グラフを書くとしたら、どんな感じのグラフになりますかね?感覚的なもので大丈夫です!

岡田
感覚的なところで言うと、はい、こうですかね笑

渡邊さん

最初は平行気味で、今上がっている所って感じですかね?

岡田

僕たちは毎年新しいことをやっているんですね。初年度は途中から入ってきたので、まず組織を整えることと、授業の質の担保でした。オリジナルの教材や映像授業を作るという1年が最初にあって、そこから、新しいコース作りや新しいサービスの提供を進めているところです。

渡邊さん
実際の話、売上とかでいうと…

岡田
まぁ…そうですね。具体的には控えますが、毎年大きく成長できています。

渡邊さん
毎年の成長ってすごいですね!

岡田
こうなってくると、さっき言った市場規模とまた別な市場にも目を向けられるかもしれません。その辺の話はこれからですが、他にも考えていることはあります。

渡邊さん
そこは今後のお楽しみですね!
じゃあナレッジスターさんとしては順調ってことですよね?
やっぱり事前にテキスト作って映像配信してと、高専のことを分かっている人たちが、思いつきだけじゃなく、戦略を持ってやっているというところが、現在を形作っているんだなと思いました!

岡田
開業初期の話と組織の作り方
では開塾当初の話をさせてください。
やっぱり、事業をスタートした時ってどうしてもお金がかかるじゃないですか。ナレッジスターさんはその辺ってどうだったんですか?

岡田
そうですね、僕が入ったタイミングでは、正直黒字じゃなかったですね。なので、利益が出ていないところから、引き継ぐっていう形だったんですけど、やっぱり会社間のことだったので事業を買収しています。だから、マイナススタートでした。

渡邊さん
それは結構たいへんですよね。

岡田
でも、もともとポテンシャルのある事業だと思っていて、僕がやれば絶対伸ばせる分野だっていうのもあってやりましたね。

渡邊さん
自信を持って始められたから、最初に投資もできたっていう感じですかね!
スタートしたタイミングで色々とあったと思うんですが、1番大変な所ってどこでしたか?

岡田
あー、そうですね、やっぱり組織を整理するのが大変でした。何から着手するべきだろうと。やるべきことが多すぎて、優先度をつけるのに結構迷いました。加えて、結局、売り上げが立たないとやっていけないので、YouTubeやSNSを通しての集客に全力で力を注ぎながら、 地盤を固めるみたいなことを同時並行でやっていました。かなりがんばっていたと思います笑

渡邊さん
じゃあ、組織編成と集客の同時進行が大変だったって感じなんですね。 集客の部分で、YouTube撮ったりとか、SNS更新したりとか、ブログ書いたりとかのコンテンツ作りとでもいいましょうか、そういうところって、大変なんですか?
というのは、もちろん大変だとは思うんですけど、いわゆる楽しいけど大変なのか、それとも本当の大変さがあるのか、ネタ切れとかもあるのかなと思うんですが、どうなんでしょうか?

岡田
そうですね。大変さはいくつかあるんですけど、僕が始めた時に障壁になったのは、元々そのチャンネルのメインMCは前の代表だったんです。僕も声だけの出演とかはしていたんですけど、急にメインになって受け入れてもらえるのだろうか、という不安はありました。でもやるしかないのでやるんですが、今度は編集などが回らなくなりました。
そこで、極力外注して作るようになりました。雇用するリスクが大きいので、僕たちは外注をうまく使って組織を作ることが多いです。

渡邊さん
大変だけど、外注を使って組織を回しているということですね。YouTube関係のところでそんな苦労があったとは…
でも今、チャンネルの登録者って結構すごいですよね?

岡田
そうですね!今4〜5万人くらいですかね?

渡邊さん
今調べたら、5万人近いですよ。5万人!
5万人っていうと、高専の受験生だけで考えたら、おかしい数字だから、卒業生とか、高専生とかも見ているってことですよね。

岡田
嬉しいですね…!

渡邊さん
先ほど、雇用にリスクがあるって話が出ましたが、他の塾さんにとってもアルバイトだったらまだしも、正社員としての雇用ってなると、結構大変に感じる方が多いように思います。
一方で、外注をすると、質の担保などが問題になることもありそうだと思うんですが、その辺はどうなんでしょうか?

岡田
そうですね、2つあるかなと思います。
1つは、人選にこだわることです。ちゃんとできる人にお願いする。
2つ目は、コミュニケーションかなと思います。特に教育をやる人たちって本当に熱い想いをもってらっしゃる方が多いので、外注とかでやると認識の相違とか出てきてしまうんですよね。なので、基本的にコミュニケーションを取ること重視しています。

渡邊さん
渡邊さんはコミュニケーション能力の鬼ですよね笑
以前から拝見していてすごいと思っていましたが、渡邊さんと仲が悪い人なんているのか?っていうくらいです。そういうコミュニケーションとかっていう強みが、外注しても狙ったシステムや商品を作り出す秘訣なんですね。

岡田
そうかもしれませんね笑 コミュニケーションは重視しています。
やっぱり1番大事なのは、どこに向かっていくかをちゃんと提示することかなと思います。
なんでこれをやるのか、何を優先させるべきか、理想はやっぱり定期的に確認することかなと思っています。

渡邊さん
一番有効の広告宣伝は何か
では次の質問ですが、ズバリ、ナレッジスターさんにとって一番有効に働いている広告宣伝は何かを、差し支えなければ教えてください。

岡田
そうですね。
ウェブ広告とかは、まあ本当に結構いろんなことやったんですけど、やっぱり1番はYouTubeですね。

渡邊さん
そうなんですね!ここから流入してくる生徒さんが結構いるってことですか?

岡田
そうですね、ほとんどが1度はYouTube見たことある生徒です。

渡邊さん
それってすごいことですね。やっぱり5万人っていうと、その界隈では有名ですもんね。
高専に行くと声かけられたりするんですか?

岡田
はい!ほぼ声をかけてもらえるようになりました!

渡邊さん
もう有名人じゃないですか!

岡田
今の到達点はどこで、これから何をするのか
現在のナレッジスターさんの立ってる場所っていうのは、理想を100%とすると、何%ぐらいのところに位置してるっていう認識でしょうか?

岡田
うーん…
20%くらいですかね…

渡邊さん
そうなんですね。意外と低く感じます。
その20%ぐらいの部分は、今までやってきたこととして、残りの80%はどういったことなんでしょうか?

岡田
やっぱりそもそもの高専という学校自体のポテンシャルがすごいと思っています。高専の教育システムは日本独自のもので、今後の日本を支えていくような人材を排出できる学校だと思っているんですね。なので、受験はもちろんですけど、それ以外の部分でもできることはたくさんあります。塾という枠にとらわれないで考えていきたいですね。

渡邊さん
なるほど!低いと思いましたが、塾から派生したようなものまで含めて、高専という学校を大きく捉えて考えると、もっと事業を展開していけるのではないかという意味の−80%なわけですね。
正直どんだけ謙遜するんだよ!って思っていましたが、そういうことなら納得です。
では、そんなナレッジスターさんの「次の一手」って何になりますか?

岡田
んー…難しいですね…
ビジネス的に考えると、受験生の市場は限られているので、そうじゃないところを巻き込んでいきたいです。具体的には言えませんが、受験とは別の領域で高専教育に関わって、皆さんに喜んでもらえるものを作りたいです。

渡邊さん
具体的にはもちろん言わなくて大丈夫です!でも受験の界隈だけにとらわれない領域に移っていくというのはまさに「次の一手」という感じですね。それも、高専塾でしっかりと基盤を作られているからこそのチャレンジなのだろうと思います。

岡田
学習塾における行政書士の役割
私は塾も経営していて、さらに行政書士という分野で、色々とやらせてもらっているのですが、そこで塾業界の中で行政書士ってどのようにお役に立てますかねというところをシンプルにお伺いしたいのですが、いかがでしょうか?

岡田
過去に行政書士さんにお願いしたことがありました。持続化補助金っていうのを使って、Webサイトを一新するときに。岡田さんという方に…

渡邊さん
はい、実は一度私がサポートさせていただきましたね。
その説はありがとうございました!

岡田
それこそ他の補助金で使えそうなものがあるときは教えていただけたらと思います。

渡邊さん
かならずお伝えします!
他に行政書士のような始業にお願いしたい仕事とかってなにかありますかね。
今後の参考にしたいなと。

岡田
そうですね。1つは補助金の情報を教えてほしいということと、もう1つは契約書のチェックですね。補助金は、自分から情報を取りにいくのが大変です。全国のものだけでなく、地元のものもあるので、そこを教えてもらえるとめちゃくちゃ助かりますね。あと、契約書は事業ごとに重視するべきところが違ってくると思うんですが、オリジナルのしっかりした契約書を作ってもらえると安心できます。

渡邊さん
参考になります。たしかに契約書って雛形そのままみたいな物も多いですもんね。一からしっかりとした契約書を作るというのは需要があるかもしれませんね!

岡田
はい、必要最低限のものしか記載されていないものが多いので、むしろ提案を頂いて良いものにしてもらえるとめちゃめちゃ安心できます。

渡邊さん
たしかに、ここにリスクがあるので、こうやって潰しましょうみたいに、こちらから提案できれば大きな価値を提案できますよね。大変参考になりました!ありがとうございます。

岡田
学習塾業界の今後
本日はナレッジスターさんという、唯一無二の高専受験を影で操る学習塾さんとお話をさせていただきました。大変面白い話がたくさん聞けて、有意義でした。
最後の質問なのですが、少子高齢社会で子供が減っている中で、今後の学習塾業界ってどのようになっていくとお考えでしょうか?
また、どうしていくべきと考えますか?

岡田
そうですね。これ、結構難しい質問ですね…

渡邊さん
そうですよね。なんか漠然としていますよね。すみません。

岡田
塾がどうなっていくかで言うと、やはり特化型になっていくのかなって思うんですよね。教育の形は様々あって良いと思っていて、合う合わないがありますから。なので、すごく特化したものが共存していく形になるかなとは思っています。
少子化問題はどうしても、学校の勉強を教える塾だったら関係してしまいますが、例えば技術を教える塾とか、検定とか、色々あるので、そういう分野は、これから盛り上がっていくかなって思います。新しい技術が誕生すればそれを学ぶ機会も増えますから。時代がすごい速さで変化していて、学ぶべきことはたくさんあります。それに追いつけない人ほど淘汰されてしまうと思うので、そういった学習・教育みたいなところは、需要としては大きくなっていくのかなと思います。

渡邊さん
そうすると、専門性を打ち出した塾が増えていくし、それについていくことが重要だということですね。

岡田
そうですね。やっぱり広く浅くみたいなところって自然に考えると難しそうですよね。
あの、ナレッジスターって月謝が決して安くありません。

渡邊さん
はいはい。

岡田
これをやれるのって、やっぱり価値をちゃんと提供してるからだと思っています。付加価値で単価を上げられるかどうかと思うんですね。地元の小さい民間塾って、すごい安くなってると思うんですね。それはそれで価値はあると思うのですが、それだけだと疲弊していくと思うので、いかに価格を上げられるぐらい価値提供できるかが大事だと思います。

渡邊さん
それはとても大切ですよね。まさにナレッジスターさんはそれを体現していますね。

岡田
ただ一方で、今の経済状況なので、教育を受けられないとか、経済的に厳しいという人もいると思います。それに関してはNPOとか違う形で、それを支援するっていう形ができるとよいですね。

渡邊さん
付加価値をつけて単価を上げた塾が、しっかり利益を出して、その次にNPOを作るっていう手もありますもんね。そういう意味ではNPOで頑張っている先生とか本当にすごいなと思いますよね。
本日はナレッジスターの事業責任者の渡邊友章さんにお話を伺いました!本当にありがとうございました!

岡田
ありがとうございました!

渡邊さん
余談・マーケティングの話
ありがとうございましたー!
めちゃめちゃ楽しくお話できました!

岡田
こちらこそありがとうございました!塾以外の話もしていいですか?

渡邊さん
もちろん!

岡田
うちは塾をナレッジスターとして運営していますが、母体はマーケティングの会社でもありまして、デジタルマーケティングが結構得意なんですね。特にオンラインの塾とか、何かに特化させたようなスクールやりたいとかであれば、かなりお役に立てると思います。

渡邊さん
なるほど!マーケティングをやっていただけるということですよね?私もやってほしいくらいです…
何を見れば載っていますか?

岡田
株式会社エニバのHPを見てもらえると分かりやすいです。

渡邊さん
株式会社エニバ公式HP
https://anyba.jp/company/
株式会社エニバさんは、高専塾ナレッジスターさんを運営している会社ですよね。
具体的にどんなことをしてもらえるんでしょうか?

岡田
うちのマーケティングの支援、集客の支援っていうのは、他と違って成果報酬型でやっています。例えば、学習塾やりたいってなった時に、集客が重要ですよね。そこで、集客するのに広告を打たなければいけない。でも、適切なやり方がわからないってなると、広告代理店とかに、例えば100万円払って、20万円ぐらい手数料取られて、80万の予算でなんか色々やってくれるみたいな感じになるんですけど。

渡邊さん
はい、そのイメージがあります。

岡田
うちの場合は、その広告費もうちで出します。

渡邊さん
え?それ大丈夫なんですか?

岡田
はい。その代わり売り上げが出たら、割合を決めて成果報酬でいただきますよという感じです。なので、新規で立ち上げるのにめちゃくちゃ相性が良いと思います。集客は完全にうちでやります、サービスは良いものを提供してください、という感じです。
この切り分けができるので、やりたいところに集中してもらえて、うちはそこのサービスをどう見せたら良いのかを考える。僕たちも利益のために必死で集客しなきゃいけなくなるので、一緒になって頑張れます。

渡邊さん
事業を始めるタイミングで。 そういうパートナーが最初からいるって、めちゃくちゃ心強いですよね。
逆に、一緒にやるパートナーについてはエニバさんの方でもある程度は吟味するということでもあるわけですよね?

岡田
はい、これなら伸ばせるだろうなっていうところで、やらせてもらっています。

渡邊さん
集客というと、HPとかリスティングとかってことですかね?

岡田
そうですね。リスティング広告。ディスプレイ広告。その辺の設定やデザインも全部やりますし、あとはメディア関係。YouTubeとかブログも。ありとあらゆる選択肢から優先順位を決めてバンバン打っていきます。

渡邊さん
なんか、お世辞抜きに利用したい人、多いような気がしますね。

岡田
現実ベースで言うと、結構サービスそのものを相談の上で変えちゃうこともあります。もっとターゲットを絞った形にするとか、結構多いですね。

渡邊さん
その辺も含めて相談できるのがいいですね。ある意味コンサルティングもしてくれるみたいな感じですね。

岡田
はい。お問い合わせお待ちしています!

渡邊さん
ナレッジスターさんの公式HP
https://know-star.com/
YouTubeチャンネル「みんなの高専チャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCX-PLj-jM4mUGLrPbITkS0Q
ナレッジスター公式X
https://twitter.com/knowstar_jp
渡邊友章(あっきー)さんのX
https://twitter.com/Akkii3993
おかだ行政書士事務所は教育業界で活躍する皆さんのお話を聞いて、行政書士の役割と業界の今後について発信しています。
おかだ行政書士事務所はX(Twitter)やインターネット経由でインタビューしたい学習塾の経営者にお声がけをさせていただくことがあります。怪しい勧誘ではございませんので、ぜひお話の機会をいただければ幸いです。
また、「あの塾の話が聞いてみたい」などの情報をいただけると、今後のコンテツ制作の助けになります。
X(Twitter)や公式LINEなどで教えていただけると助かります。
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